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相続人がいるか明らかでない場合や、全員の相続放棄で相続する人がいなくなった場合には、家庭裁判所へ相続財産清算人の選任を申し立てる方法があります。清算人は財産を管理し、債務の支払いなどを行います。残る財産は特別縁故者への分与が検討される場合もあり、直ちに国のものになるわけではありません。
一人暮らしの親族が亡くなったものの、相続する人が見当たらない。相続人全員が放棄し、家や預金、借金だけが残っている。こうしたとき、関わってきた人が自由に財産を処分できるとは限りません。この記事では、相続財産清算人を選ぶ必要がある場面、申立てに備える資料と費用、選任後の流れを整理します。
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「身寄りがないと聞いていた」「子どもはいなかった」という話だけで、相続人不存在と決めることはできません。法律上の配偶者、子やその代襲者、直系尊属、兄弟姉妹や代襲者の有無などを、戸籍と相続放棄の資料で確認します。親戚と疎遠なことと、相続権がないことは別の問題です。
相続人が存在するものの所在が分からない場合と、相続人の存在・不存在が明らかでない場合は区別します。前者では不在者財産管理人など別の制度を検討することがあります。連絡が取れないことだけで清算人の制度を選ばず、誰が相続人に当たるかという調査から相談しましょう。
内縁のパートナーや友人は、長く同居していたという事情だけで法律上の相続人になるわけではありません。遺言で財産を受ける人がいるか、本人名義の財産と共同生活で使っていた他人の財産が混在していないかも確認します。内縁関係と生前の承継対策の違いは、次の記事で説明しています。


相続財産清算人の選任を申し立てられるのは、債権者、特定遺贈を受けた人、特別縁故者などの利害関係人や検察官です。申立先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所になります。申立人が財産を自分のものにするための制度ではなく、清算を進めるために管理者を選ぶ手続です。
清算人の候補者がいる場合は資料を添えられますが、希望した人が必ず選ばれるとは限りません。財産の内容、関係者との利害、必要な事務などに応じて家庭裁判所が判断します。申立てをした人と清算人は役割が異なり、申立人が財産の売り方や配分を自由に指示できるわけではありません。
相談時には、申立てが必要だと考える理由を具体的にします。借金の支払い先が分からない、空き家の管理が必要、遺贈を受ける手続が進まないなど、困っていることと財産の所在をまとめましょう。すでに別の人が選任を申し立てている場合や、清算人から通知が届いた場合は、その資料も示してください。

標準的な資料には、被相続人の出生から死亡までの戸籍、家族関係に応じた親族の戸籍、住民票除票や戸籍附票、財産の資料などがあります。債権者なら契約書や請求資料など、自分の利害関係を示すものも必要です。必要な戸籍の範囲は事案によるため、裁判所の最新の案内を確認します。
土地や建物は登記事項証明書、預貯金は通帳や残高資料、有価証券は取引資料を整理します。債務の請求があれば、債権者、根拠、金額、連絡先、届いた日を一覧にしましょう。請求書の記載だけで債務の有無や全額が確定するとは限らず、裏付け資料と分けて保存することが大切です。
保証債務など、普段の家計資料からは分かりにくい負債が問題になる場合もあります。契約内容を確認する考え方は次の記事も参考になります。取得できない戸籍があるときは放置せず相談し、裁判所の案内に沿って追加提出の可否を確認してください。分からない財産や借金を推測でゼロと書かないようにします。
確認と相談の進め方
手元の関係資料を整理
↓
不明点と期限を確認
↓
必要な手続を相談
期限や危険が迫る場合は資料がそろう前に相談してください。


申立てには収入印紙、連絡に必要な郵便料、官報公告料などが必要になります。清算人の報酬や管理費用を相続財産からまかなえない可能性があるときは、申立人に予納金の納付を求める場合もあります。財産が少ないほど必ず安く済むとは限らない点に注意してください。
債権を回収したい目的で申し立てても、費用をかければ必ず全額の支払いを受けられるとは限りません。財産の換価の可能性、担保、他の債務、管理費用を踏まえて検討する必要があります。予納金の額や納付時期を一律に決めつけず、申立先の家庭裁判所の案内を確認しましょう。
家や土地の管理費、解体費、専門家へ依頼する費用なども、どの手続で誰が負担するのかを区別します。清算人が選ばれるまでの間にも危険な建物など急ぐ事情があれば、状態の写真や行政からの通知を示して相談します。予納金が難しいことだけを理由に、財産を独断で売却したり預金を取り崩したりしないでください。

家庭裁判所は清算人を選任すると、選任の事実と相続人が権利を主張すべきことを、6か月以上の期間を設けて公告します。清算人は債権者や受遺者に対する公告等を行い、債務を支払うなどの清算を進めます。昔の制度の説明と現在の手続を混同せず、実際の公告と通知を確認しましょう。
相続人として権利を主張する人がいなかった場合、公告期間の満了後3か月以内に、特別縁故者による財産分与の申立てがされることがあります。認められるかは家庭裁判所の判断で、残存財産の全部や一部が対象です。その手続によって処分されなかった財産は国庫に帰属します。
清算人が選ばれたら、手元の鍵、通帳、契約書、管理や立替えの記録などを整理し、引渡しや請求の方法を確認します。相続放棄後も現に占有している財産については保存義務が問題になる場合があり、放棄したから一切放置できると考えないことが大切です。専門家の役割分担は次の記事も参考にして、適切な相談先につなげましょう。


相続人がいないと思われる場合も、まず戸籍や放棄の資料で相続関係を確かめる必要があります。清算人の選任は、関わっていた人へ財産を分ける手続そのものではありません。財産と負債、管理が急がれる事情、申立人の利害関係を整理して相談してください。費用の予納や公告期間も含め、必要な手続を段階ごとに確認することが大切です。
そうとは限りません。法律上の配偶者、直系尊属、兄弟姉妹や代襲者など、家族関係と放棄の状況を確認する必要があります。
利害関係人や検察官が申し立てます。債権者や特別縁故者など、自分の立場と利害関係を示す資料を確認してください。
清算人選任の申立てだけで財産を受け取る権利が決まるわけではありません。債権の支払いや特別縁故者への分与は別に検討されます。
管理費用や報酬に不足が見込まれると、予納金を求められる場合があります。額と納付の案内を申立先へ確認します。
相続人不存在の場面では、相続人調査、清算人選任、公告と債務の整理、残余財産の処理を分けて考えます。関わっていた人が独断で財産を処分せず、利害関係と財産資料をそろえて相談しましょう。費用の負担と回収の見込みも別に検討し、特別縁故者としての申立てが必要ならその期間にも注意します。

相続する人が見当たらず、遺産や空き家の管理、債務の整理でお困りの方は、弁護士法人ニューステージへご相談ください。戸籍、財産資料、放棄や請求の通知をご用意ください。