全国どこからでも遺産相続に関するご相談を承ります。お気軽にご相談ください。

相続放棄の申述が却下されたら?即時抗告と相談のタイミング

相続放棄の申述が却下されても、即時抗告で判断の見直しを求められます。原則として審判の告知を受けた日の翌日から2週間以内に、審判をした家庭裁判所へ抗告状を提出する必要があります。まず通知を受けた日と却下理由を確認し、早めに弁護士へ相談しましょう。

家庭裁判所へ相続放棄を申し立てたのに、却下の通知が届いたら、借金を引き継ぐことになるのか不安になるでしょう。ただ、理由を確かめずに諦めたり、同じ申述書を出し直したりする前に確認したいことがあります。この記事では、申述が却下された後の即時抗告と、相談までに整理する資料を説明します。受理された後に債権者から請求された場合とは、対応する場面が異なります。

相続の相談先を考える参考に、弁護士・税理士・司法書士の役割を解説した動画をご紹介します。即時抗告そのものを説明した動画ではないため、却下後の期限や提出先は、この後の本文をご確認ください。

【関連動画】相続手続は専門家に任せるべき?【相続のための弁護士チャンネル】

目次

却下の通知が届いたら、最初に確認すること

封筒と書類で、届いた通知の確認を表す

届いた書類が、追加資料を求める照会や補正の連絡なのか、相続放棄の申述を却下する審判なのかを確かめます。書類が足りないという連絡だけで、既に却下されたと判断する必要はありません。事件番号、担当部署、書類の名称を控え、内容が分からなければ担当書記官へ確認してください。

通知の日付と、実際に告知を受けた日を分ける

審判書に記載された日付と、自分が審判の告知を受けた日は同じとは限りません。郵送で審判書が届いた場合には、受け取った日や送達の状況が重要です。封筒、同封された案内、受取日が分かる記録をまとめて保管し、期限の起算日を確認しましょう。

家族が受け取った場合などは、自分が後で開封した日から数えればよいと決めつけないでください。通知を読んだ日ではなく、手続上いつ告知・送達があったかの確認が必要です。受取日の記憶が曖昧でも、調べ終わるまで相談を待たず、その事情を最初に伝えます。

即時抗告の期限と提出先を確認する

カレンダーと砂時計で、短い抗告期限への注意を表す

即時抗告は、家庭裁判所の審判に対する不服申立てです。相続放棄の申述が却下された場合、申述人はこの手続で見直しを求められます。高等裁判所が審理しますが、抗告状を提出する先は、却下の審判をした家庭裁判所です。

原則2週間の期限を優先して動く

申立期間は、原則として審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間以内です。最初の相続放棄で問題になる3か月の熟慮期間とは別の期限なので、混同しないようにしましょう。相談の予約を入れただけで、抗告期間の進行が止まるわけでもありません。

期限が近いときは、相談時に「却下審判を受け取り、即時抗告を検討している」と伝え、受取日と事件番号を知らせます。提出方法、必要な写し、費用、最終日の取扱いは提出先へ確認してください。郵送なら、発送すれば間に合うと思い込まず、到着までの日数も踏まえて準備することが大切です。

却下通知を受けた後の確認の流れ

通知の種類と告知・送達日を確認
↓
期限を確認し、資料整理と並行して相談
↓
却下理由と証拠を踏まえ、期間内の即時抗告を検討

期限が近い場合は、資料が全て揃う前に相談してください。抗告による受理は保証されません。

却下理由に応じて、説明と証拠を整理する

書類と筆記具で、経緯と証拠の整理を表す

即時抗告では、放棄したいという希望を繰り返すだけでなく、原審のどの判断に不服があり、どの事実や資料から見直しを求めるのかを整理します。審判書の理由と、最初に提出した申述書・回答書・添付資料を並べ、説明が不足していた部分や、事実の認識に違いがある部分を確認しましょう。

期間や財産処分について、経緯を具体的に示す

期間が問題なら、死亡を知った日、自己が相続人となったことを知った日、借金や財産の存在を知った日を分けて時系列にします。財産がないと信じたことに相当な理由があるなど、3か月経過後でも受理される場合はありますが、後から借金を知れば必ず認められるという意味ではありません。

財産の処分が問題なら、何を、いつ、誰が、どの目的で扱ったかを確認します。預金の出金記録、支払先、領収書、保管状況などは判断材料になります。保存のための行為と単純承認に当たる処分の区別は個別事情によるため、葬儀費用なら一律に安全、少額なら問題ない、と自己判断しないことが重要です。

取引履歴や領収書の整理の参考として、生前の預金調査を扱う次の記事もご覧ください。調査対象の場面は異なりますが、事実と推測を分けて資料をまとめる考え方を確認できます。

あわせて読みたい
親の生前の預金使い込みを調べるには?取引履歴と証拠の集め方 親の生前に多額の預金が引き出されていても、出金だけで使い込みと断定することはできません。親が存命なのか、亡くなった後に調べるのかを区別し、口座の取引履歴、使...

抗告状と相談資料を準備する

書類と電卓で、借入先の資料や相談資料の確認を表す

裁判所は、却下審判に対する即時抗告の書式・記入例を公開しています。ただし、記入例の事情を自分の案件にそのまま当てはめるのではなく、却下理由と証拠に即した内容にする必要があります。抗告によって受理されるかどうかは、個別の事実関係と判断によります。

手元の資料を集め、足りないものも伝える

相談には、却下審判書、封筒など受取日が分かるもの、申述書の控え、照会書と回答書、裁判所との連絡記録を用意します。借入先からの通知や契約書、通帳・取引履歴、財産を扱った際の領収書も、問題となる経緯に応じて役立ちます。

資料が揃わない場合も、相談を先延ばしにせず、何が手元にあり、何が未取得かを一覧にしてください。抗告状の記載や理由を補う資料の提出については、期限との関係も含めて弁護士と提出先に確認します。家事事件の即時抗告手続を代理して依頼したい場合は、弁護士への相談が選択肢になります。

相続の相談先を検討するときは、専門家ごとの役割を整理した記事も参考になります。即時抗告の代理を依頼する場合は、弁護士に相談してください。

あわせて読みたい
【弁護士が解説】遺産相続の際の専門家の役割、弁護士・税理士・司法書士の使い分けを紹介 遺産相続の手続きは、法的・税務的な問題が絡み合い、複雑なプロセスとなることが多いです。そのため、相続を円滑に進めるためには専門家の助けを借りることが重要です...

債権者への対応や、期限が過ぎた場合も相談する

クリップでまとめた書類で、請求書を保管して相談することを表す

即時抗告を検討している間も、債権者から届いた書面や裁判所の通知を放置しないことが大切です。請求額、契約の内容、請求を受けた立場、返答期限などを確認し、相続放棄の手続と併せて対応を考えます。

却下と受理後の請求を取り違えない

却下された状態を、相続放棄が受理された状態として債権者へ説明することはできません。一方で、請求された金額を直ちに全額支払うべきとも限りません。債務の有無や金額、時効、自分自身が保証人となっていないかなど、相続放棄とは別の確認点もあります。請求書を相談先へ見せ、返答や支払いの前に事情を整理しましょう。

2週間を過ぎたように見える場合も、受取日や手続の経緯を確認せず、結論を決めないでください。ただし、同じ申述を繰り返せば期限をやり直せるわけではありません。期間経過後に取り得る対応の有無は限られるため、遅れた事情も隠さず、資料と一緒に相談することが重要です。

すでに相続放棄が受理されており、その後に請求を受けた場合は、次の記事で対応を整理しています。今回の「却下された場合」とは手続の状況が異なるため、受理の有無を区別してご覧ください。

あわせて読みたい
相続放棄の申述が受理された後、債権者から請求されたらどうする? 相続放棄が有効であれば、故人の借金を相続人として返す義務は負いません。ただし、受理後の請求をすべて無視してよいわけではありません。請求の根拠を確認し、受理さ...

専門家コメント|ニューステージ代表弁護士 下元高文

相続の準備をワンストップでサポートします

却下後の相談では、まず審判書と受取日が分かる資料を確認することが大切です。借金を知った経緯や財産を扱った事情は、日付と資料を対応させて整理しましょう。手元に全ての書類がなくても、即時抗告の期限が迫っていることを先に伝えて相談してください。見通しは個別事情によるため、却下理由を確かめる前に諦めたり、受理を確約する説明を頼りにしたりしないことが重要です。

よくある質問(FAQ)

却下された相続放棄の申述を、同じ内容でもう一度出せばよいですか?

却下審判への不服申立ては、期限内の即時抗告が基本です。同じ内容を出し直せば抗告期間をやり直せるわけではありません。届いた書類と却下理由を確認して相談してください。

抗告状は高等裁判所へ直接提出しますか?

審理を行うのは高等裁判所ですが、抗告状は原裁判所である、審判をした家庭裁判所へ提出します。提出方法や必要な費用・書類は提出先に確認してください。

弁護士に相談すれば、2週間の期限は止まりますか?

相談や予約だけで期限の進行は止まりません。原則として審判の告知を受けた日の翌日から2週間以内の申立てが必要なので、受取日を最初に伝え、早急に対応を検討してください。

即時抗告をすれば、必ず相続放棄が認められますか?

必ず認められるわけではありません。却下理由、事実関係、提出資料などによって判断されます。原審のどの判断に不服があるのかを整理し、根拠となる資料を検討することが大切です。

まとめ

相続放棄の申述が却下されたら、通知の種類、告知を受けた日、却下理由を確認します。即時抗告は原則2週間以内で、抗告状の提出先は審判をした家庭裁判所です。最初の申述書や回答書と証拠を見直し、不服の理由を具体的に整理しましょう。資料が不足していても、期限が近いことを先に伝えて相談することが大切です。

相続に関するご相談はこちらまで

ニューステージ法律事務所の相談風景

相続放棄が却下された、通知の意味が分からない、抗告の期限が迫っているなどのお悩みは、弁護士法人ニューステージへご相談ください。審判書や受取日が分かる資料をお手元にご用意いただくと、相談内容を整理しやすくなります。

目次