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相続した実家に第三者が住んでいるときは?賃貸借と使用貸借の確認

相続した実家に相続人以外の人が住んでいても、相続だけで退去を求められるとは限りません。賃貸借、使用貸借、その他の権原を確認し、契約と居住の経緯を調べます。鍵の交換や荷物の処分を先行せず、契約の終了と明渡しの方法を分けて相談しましょう。

親の死後に実家を見に行くと、知人や元従業員などが住んでおり、「親から住んでよいと言われた」と説明することがあります。契約書がない場合も、直ちに無断居住とは決められません。この記事では、相続人ではない居住者がいる実家について、賃貸借と使用貸借、支払い、明渡しを検討するための確認事項を整理します。

【関連動画】相続した家に住む?住まない?【相続のための弁護士チャンネル】

相続した家の利用、売却、賃貸や維持費を考える補足動画です。既に第三者が住む場合の権原と明渡しは本文をご確認ください。居住者の契約を確認せず自由に使えるという意味ではありません。賃貸収入は保証されず、空き家なら一律に固定資産税が上がるわけでもありません。住宅用地の特例の扱い等は個別の要件と行政の措置を確認します。

目次

誰が何の権利で住んでいるかを確認する

相続の書類と財産を確認するイメージ

居住者の氏名、同居人、入居時期、親との関係、使用する範囲を確認します。借主本人なのか、借主の同居人や転借人なのかによっても検討が異なります。「家族ではない」という理由だけで権利がないとは判断せず、親との約束を具体的に説明してもらいましょう。

居住者が複数いる場合は、各人がいつから何の説明で住んでいるかを分けます。最初の契約者が転居又は死亡している場合も、今の居住者がどの立場かを調べる必要があります。家族の記憶だけで同居人と借主を取り違えず、親との過去の連絡を確認してください。

所有権の主張と借りる権利を分ける

居住者が借りていると説明する場合と、生前にもらった自分の家だと主張する場合は別です。自分たちの相続関係と建物の所有者も確認してください。名義や贈与をめぐって遺産の範囲が争われる場合の整理は、次の記事が参考になります。

確認時は、契約書等の写しを求め、質問と回答を記録します。事前の連絡なく室内に入る、私物を撮影して持ち出すなどの対応は避けましょう。現場の状況を確かめたい場合も、訪問の目的、日時、立会いと同意を確認して進めることが大切です。

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賃料のある賃貸借と無償の使用貸借を区別する

家族の合意と資料を整理するイメージ

賃貸借は使用の対価として賃料を支払う契約で、使用貸借は無償で借りる契約です。毎月の振込みがあっても、実費の精算や立替金などの場合もあるため、金額だけで契約を断定しないでください。書面の有無と、合意があったかどうかも別の確認事項です。

親が管理会社や別の家族へ管理を任せていた場合は、その契約と精算を調べます。敷金や預り金を誰が保管し、修繕の依頼を誰が受けていたかが不明なまま、新しい連絡先だけを知らせないようにしましょう。承継前後の入出金を別に記録しておくと、後の確認に役立ちます。

支払いの名目と当時の約束を照合する

賃料、共益費、光熱費、固定資産税相当額など、何のために支払っていたかを分けます。領収書、通帳、メール、更新時の連絡、鍵の引渡しの記録を確認しましょう。親の死後に相続人が受領した金銭も、どの名目で受け取ったかを曖昧にしないことが重要です。

無償ならいつでも即日退去させられるとも限りません。使用貸借では、期間、使用の目的、契約の内容に応じて終了や解除を検討します。貸主である親が死亡したことと、借主が死亡した場合の民法上の終了規定を取り違えないようにしてください。

相続による承継と契約終了の条件を確認する

相続の権利と手続を確認するイメージ

貸主の死亡によって、通常の賃貸借が当然に終了するわけではありません。相続により承継した権利義務を整理し、連絡窓口や賃料の支払先を確認します。必要な相続人の調整をせず、自分一人の口座へ全て送金するよう求めることも避けましょう。

相続人間で管理の窓口を決める場合は、受領した賃料や支払った修繕費を報告する方法も共有します。賃料を受け取ることと、建物を単独で取得することは別です。親の死亡前後の未収金や預り金も混ぜず、分割や精算に必要な記録を残してください。

普通借家と定期借家で終了の扱いが違う

普通借家では、貸主による更新拒絶や解約申入れに正当事由等の要件があります。自分が住みたい、売りたいという希望だけで直ちに退去が決まるものではありません。定期借家なら、契約の方式、事前説明、期間と終了通知等を確認します。表題だけで有効な定期借家と決めないでください。

未払いがある場合も、金額、支払期日、相手の説明と対応経過を確認し、契約解除の可否を相談します。相続したことを理由に家賃を一方的に変更する、受領を止めるなどの対応を先行しないようにします。管理会社がいる場合は、預り金や修繕の記録も引き継いでください。

資料確認と相談の進め方

書面と対象財産・関係者を確認
↓
原資料と未確認事項を整理
↓
効果・必要な手続・期限を相談

期限や財産処分が迫るときは、資料がそろう前に相談してください。

明渡しの検討中も自分だけで実力行使をしない

相続財産と精算を考えるイメージ

契約の終了を検討することと、実際に建物を明け渡してもらうことは別です。鍵を替える、電気や水道を止める、荷物を外へ出すなどの方法を自己判断で行わないでください。居住者が権利を争う場合は、交渉、必要な裁判や執行等の法的手続を確認します。

やり取りと入出金を改変せず保存する

通知、返答、賃料や費用の記録、修繕の資料を時系列に整理します。未払いと考える額も、支払いの有無が確認できる部分と未確認部分を分けましょう。口座の記録から分かる事実と推測を分ける方法は、次の記事で補足しています。

合意による退去を検討する場合は、時期、鍵の返却、残置物、敷金等の精算、費用負担を書面で明確にします。お金を払えば必ず終わるという保証はありません。退去の約束が成立したか、履行されなかった場合に何が必要かも弁護士に相談してください。

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実家の今後の利用と相談資料を整理する

相続の方針を相談するイメージ

居住者との契約関係を踏まえて、賃貸を続ける、自分で使う、売却する等の方針を検討します。遺産分割で建物を取得した人と、当面の管理担当が同じとは限らないため、関係者の役割を明確にします。契約を無視した空き家前提の売却計画を立てないことが大切です。

原資料と未確認事項を持って相談する

相続関係資料、建物の登記、契約書、支払記録、相手の説明、管理会社の資料を用意します。書類がない場合も、入居時期と把握している約束をまとめてください。相手から期限付きの通知が届いている、建物に危険があるなどの事情は、予約時に優先して伝えます。

相談では、相手の権原、契約終了の可否、必要な当事者、費用と期間を確認します。結論が出る前に新しい契約や退去合意へ署名せず、内容と効果を整理しましょう。初回相談の持参資料と質問メモは、次の記事が参考になります。

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専門家コメント|ニューステージ代表弁護士 下元高文

相続の準備をワンストップでサポートします

第三者が実家に住んでいるときは、相手がどの約束に基づいて使っているかを確認することが出発点です。書面がない、家賃が少ないという事情だけで、直ちに無断居住と決めないでください。相続による承継、契約の終了、実際の明渡しは分けて検討します。鍵の交換や荷物の処分を先に行わず、原資料とやり取りを保存して相談しましょう。

よくある質問(FAQ)

親が亡くなれば賃貸借も終わりますか?

貸主の死亡だけで通常の賃貸借が当然に終了するわけではありません。承継する権利義務と契約条件を確認します。

契約書がなければ無断居住ですか?

書面がないことだけでは決まりません。口頭の約束、支払い、入居の経緯等を確認します。

無料で住んでいるなら即日退去を求められますか?

一律にはいえません。使用貸借の期間・目的・契約内容と終了の要件を確認します。

相続した家なので鍵を替えてもよいですか?

自己判断で鍵交換や荷物処分等を行わず、相手の権原と明渡しに必要な法的手続を相談してください。

まとめ

第三者のいる実家は、居住者の立場と入居の約束、支払いを確認します。賃貸借と使用貸借、所有権の主張を分け、相続だけで退去が決まると考えないようにしましょう。記録を保存し、契約の終了と明渡し、今後の利用を順に相談することが大切です。

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