目次
【結論】
家を子どもに確実かつ円満に残したいなら「遺言はほぼ必須」。とくに子どもが複数いる、住宅ローンやリフォーム借入がある、再婚・前婚の子がいる、共有名義や私道・未接道など不動産の事情が複雑な場合は、公正証書遺言で分け方(代償金・売却方針・期限・費用負担)まで具体化すると、トラブルと手戻りを大幅に減らせます。
第1章|家で相続が揉めやすい理由(リスクの全体像)
- 分けにくい資産:家は現物で割れないため、共有・売却・代償の判断が必要
- 評価の幅:築年数・再建築可否・私道負担・越境・未登記などで価値の見解が割れやすい
- 感情要因:実家への思い入れ、同居・介護の貢献感、配偶者(義家族)の意見が絡む
- 資金論点:相続税・登記費用・代償金の調達時期と方法が決まらないと停滞
第2章|遺言があると何が違う?(メリット)
- 分け方の指示が明確
- 例)自宅は長男に相続させる。他の相続人には各◯◯◯万円を代償金として支払う(6カ月以内・遅延年5%・担保設定)
- 実務に耐える条項で停滞を防ぐ
- 売却(換価分割)を選ぶなら最低売出価格・期限・仲介方式・費用負担を明記
- 検認不要でスピード(公正証書)
- 遺留分への配慮を織り込みやすい
- 代償金や保険の活用で法的な最低取り分を侵害しない設計に
第3章|ケース別の考え方(最適解の目安)
子ども1人(配偶者あり)
- 遺言:自宅は配偶者に、二次相続を見据え予備条項で子へ流れる設計
- ポイント:配偶者居住権の検討、保険で相続税・維持費を手当
子ども2人以上(同居・介護あり)
- 遺言:家は同居子へ、他の子には代償金。支払期限・担保・分割払い条項を具体に
- ポイント:介護・改修費の清算を付言や別条項で言及
再婚・前婚の子がいる
- 遺言:配偶者居住権+売却・代償の筋道、遺言執行者を弁護士に指定
- ポイント:遺留分に配慮、感情対立を避けるため付言で理由を明示
ローン・抵当権あり
- 遺言:返済方法・繰上げ or 売却の方針、代償金との整合を明記
- ポイント:団信の有無、借換え可否、相続人の返済能力
第4章|分け方の選択肢と遺言条項の考え方
- 代償分割(推奨):誰かが家を取得し、他相続人に金銭で調整
- 条項に入れる:代償金額/支払期限/分割の可否/遅延利息/担保(抵当権)
- 換価分割(売却):売って現金で分ける
- 条項に入れる:最低売出価格/期限/媒介種別/価格改定ルール/費用負担
- 共有(暫定):短期の一時しのぎに限定
- 条項に入れる:共有期間の上限/管理・修繕・税金負担/将来の売却条件
第5章|遺留分と配偶者の居住の保護(法律の勘所)
- 遺留分
- 子がいる場合:子の遺留分は法定相続分の1/2。偏りがあると侵害額請求の対象
- 配偶者居住権
- 死亡後も配偶者が自宅に住み続けられる権利。遺言で設定し、評価・持分調整を設計
第6章|条項サンプル(コピペ可)
- 代償分割条項
- 「別紙目録1記載の不動産(所在:◯◯市◯◯、地番◯◯)を長男Aに相続させる。Aは相続開始の日から6カ月以内に、相続人BおよびCに対し各金◯◯◯万円を支払う。期限後は年5%の遅延損害金を付す。担保として当該不動産に第一順位抵当権を設定する。」
- 換価分割条項
- 「当事者は本不動産を相続開始後9カ月以内に売却する。媒介は一般媒介(A社・B社)とし、最低売出価格は金◯◯◯◯万円とする。売却費用は代金から控除し、残額を法定相続分に従い按分する。」
- 配偶者居住権条項(例)
- 「配偶者Bに対し、別紙目録1記載の建物につき配偶者居住権を設定する。」
第7章|数値つきミニ事例
- 前提:総資産6,000万円(自宅評価3,500万円、預金1,500万円、有価証券1,000万円)、相続人=配偶者+子2人
- 遺言設計例:自宅を長男、預金・有価証券を配偶者、次男には代償金800万円(6カ月内・年5%・抵当権)
- 効果:遺留分に配慮しつつ、同居継続と公平感を両立。手続の停滞を防止
第8章|作成フロー(公正証書がおすすめ)
- 資産一覧と家族の希望整理(不動産資料:登記事項・評価証明・査定)
- 分け方の一次案(代償/売却/共有)を家族とすり合わせ
- 弁護士にドラフト依頼→公証人と事前調整
- 作成当日(本人+証人2名)→正本・謄本受領→所在を家族に周知
- 5年ごとの見直し、家族状況・資産変動時は即更新
第9章|よくある落とし穴と対策
- 財産の特定不足(地番・家屋番号の欠落)
- 代償金の設計不足(期限・担保なし)
- 遺留分無視の偏り
- ローン・共有名義の放置
- 自筆方式のミス
- 対策:公正証書 or 自筆+法務局保管(方式厳格)
第10章|今日からのチェックリスト
- 自宅の登記事項・固定資産評価を取得した
- 近隣取引・査定(2〜3社)で相場観を把握した
- 分け方の一次案(代償/売却/共有)を決めた
- 遺留分の概算と代償金・納税資金の当て(保険・預金)を用意した
- 遺言の方式(公正証書)と遺言執行者候補を決めた
- 弁護士・公証人の相談予約を入れた
第11章|専門家コメント(弁護士法人ニューステージ)
「家は“評価の透明化×具体条項”が肝。代償金の期限・担保まで書けば、実行段階で止まりません。」
── 弁護士 下元 高文
「配偶者の居住と子の公平を両立させるには、遺留分・税務・登記まで設計すること。遺言はその設計図です。」
── 弁護士 三浦 宏太
第12章|動画 相続で揉めないために今できること
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