目次
【結論】
目的が「今すぐ承継・節税・争族予防」なら生前贈与、目的が「亡くなった後に確実に分ける・全体最適」なら遺言が基本。実務では“両輪”で設計するのが最善です。高額不動産や事業承継は遺言を軸に、納税資金や代償金原資づくりは贈与・保険で補完するのがトラブル予防の王道です。
第1章|生前贈与と遺言の違い(早見比較)
- 効力が生じる時期
- 生前贈与:贈与時(今すぐ所有権が移転)
- 遺言:死亡時(相続開始時に効力)
- 撤回・柔軟性
- 生前贈与:原則撤回不可(負担付贈与や条件で一定の保全は可)
- 遺言:生前はいつでも書き換え可(最新が有効)
- 税務
- 生前贈与:贈与税(年110万円控除、各種特例あり)、相続前加算あり
- 遺言:相続税、各種相続税の特例(配偶者・小規模宅地等)
- 手続・コスト
- 生前贈与:贈与契約・登記・名義変更・贈与税申告が都度必要
- 遺言:作成コストは一度(公正証書推奨)、執行時に登記等を一括実行
- 争いへの効き目
- 生前贈与:事前に権利を移せる反面、偏ると特別受益で争点化
- 遺言:全体を一枚の設計図で統一できるが、遺留分への配慮が必須
第2章|生前贈与を選ぶべきシーン
- 早期に承継したい資産がある
- 例:事業用株式、収益不動産の管理を早く移し、意思決定をスムーズにしたい
- 代償金・納税資金を計画的に用意したい
- 認知症対策を並走したい
- 特例の活用が有利なとき
- 住宅取得等資金の非課税、教育資金・結婚子育て資金の非課税(要件厳格) 注意点
- 名義預金化を避ける(契約・受領・管理の実体を整える)
- 相続開始前加算の対象(制度改正動向含む)は税理士に要確認
- 偏りは将来の特別受益争いに直結。家族へ事前説明と記録化を
第3章|遺言を選ぶべきシーン
- 不動産や事業、相続人が多く利害が複雑
- 売却・代償分割・最低売出価格・期限・費用分担まで条項で明確化
- 再婚・前婚の子・内縁など、家族関係が複層
- 配偶者居住権、予備条項、遺言執行者の指定で執行を安定化
- 生前は資産を動かしたくない(収益・管理は継続)
- 遺留分に配慮しつつ全体最適を図りたい
第4章|両輪で設計する実務モデル(おすすめ)
モデルA:不動産×代償金
- 遺言:自宅は長男へ、他相続人に代償金。支払期限・担保(抵当権)を明記
- 贈与/保険:代償金・納税資金を保険や暦年贈与で準備
モデルB:事業承継
- 遺言:株式を後継者に集中、非承継者には現金資産を配分
- 贈与:議決権調整のための段階的贈与、役員就任の前倒し
モデルC:認知症・管理対策
- 家族信託:管理権限移転と柔軟運用
- 遺言:最終配分・遺留分配慮、信託監督の指針を付言
第5章|税務の基礎(押さえるだけ)
- 生前贈与
- 暦年課税:年110万円控除。超過分は申告
- 特例:住宅取得等資金・教育資金・結婚子育て資金の非課税(要件・期限・使途管理)
- 相続前加算:相続開始前の一定期間内贈与は相続税課税に加算(最新制度は税理士に確認)
- 遺言(相続)
- 配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、相続税の申告・納税は10カ月以内
第6章|トラブル回避の要点
- 情報の透明化
- 記録の整備
- 遺留分の試算
- 専門家の一元連携
- 弁護士(設計・条項)+税理士(税務最適)+司法書士(土地・登記)+不動産/保険の実務
第7章|ケース別ミニ事例(数値あり)
事例1:総資産6,000万円/自宅3,500・預金1,500・有価証券1,000/配偶者+子2
- 遺言:自宅を長男、預金・有価証券を配偶者、次男へ代償金800万円(6カ月内・年5%・抵当権)
- 生前:代償金原資を保険800万円で用意(受取人=次男)
事例2:非上場株式5,000万円/現金1,000/子2
- 遺言:株式は後継者へ集中、他方へ現金+代償金500万円
- 生前:議決権の一部を段階贈与、役員交代を前倒し
事例3:住宅資金援助を予定(子2)
- 生前:住宅取得等資金の非課税で各700万円援助(要件遵守)
- 遺言:持戻し免除の意思表示+配分理由を付言で説明
第8章|チェックリスト(今日決めること)
- 承継の目的は?(早期移転/死後の確実な配分/税効率)
- 主要資産は?(不動産/株式/現金/保険/事業)
- 遺留分の概算は把握したか
- 生前贈与の年間計画・契約書雛形は準備したか
- 遺言方式は決めたか(公正証書/自筆+法務局保管)
- 代償金・納税資金の原資(保険・売却・融資)を決めたか
- 専門家の窓口(弁護士)と初回相談を予約したか
第9章|よくある質問(FAQ)
Q1. どちらか一方だけで十分?
A. 基本は併用が最強。遺言で全体設計、生前贈与で資金準備や権限移転を先行。
Q2. 生前贈与を110万円以下に分散すれば安全?
A. 贈与税の基礎控除の話であり、特別受益や相続前加算とは別。偏りや実体不備は争点化。
Q3. 遺言で生前贈与の扱いは?
A. 付言で経緯を説明し、必要に応じ「持戻し免除」や代償金方針を明記。
Q4. 認知症が心配なら?
A. 早めの遺言、公正証書+家族信託(任意後見の検討も)で二段構えに。
第10章|専門家コメント(弁護士法人ニューステージ)
「“いつ・何を・誰に・どの順番で”を決めると、贈与と遺言の使い分けは自然に解けます。争いを防ぐ鍵は、記録と透明化です。」
── 弁護士 下元 高文
「代償金と納税資金の設計が実務の肝。保険・贈与・売却の組み合わせで、遺言の実行力は大きく上がります。」
── 弁護士 三浦 宏太
第11章|動画 遺言はいつ作成する?ベストな時期を弁護士が解説
遺言はいつ作成する?ベストな時期を弁護士が解説
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